4)マタハラに関する法律

  マタハラに関する法律は労働基準法や男女雇用機会均等法、育児・介護休業法では、主に産休・育休の取得時や妊娠・出産の際に、労働者に対して不当な扱いを行うことを禁止しています。そのため社会的立場の弱い労働者にとって有利な法律となっています。言い換えると、マタハラの違法性は非常に高いと言えます。

 

  労働基準法

    労働者に対して不利益な取扱いを行うことは、労働基準法の第104条で禁止されています。

マタハラによる解雇や嫌がらせなどもこの不利益な取扱いに該当します。そもそもこの労働基準法では、マタハラによるものだけでなく、労働上発生したすベての不利益取扱いを禁止しています。

 

“  (監督機関に対する申告)

第百四条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。

2 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。”

(引用元:労働基準法)

 

  ②男女雇用機会均等法

    男女雇用機会均等法では、マタハラに関する内容が定められています。同法第9条第3項では、女性労働者に対して妊娠・出産を理由に解雇や不利益な取扱いを行うことを禁止しています。前述した労働基準法と一部重複した内容になっていますが、男女雇用機会均等法は妊娠・出産という、女性労働者により重きを置いた内容になっています。

 

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。

2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。”

(引用元:男女雇用機会均等法) 

 

  育児・介護休業法

    近年増加してきた男性の育休にも対応できる法律です。女性のみならず、男性にも育休を積極的に取得させることを目的としています。

 

企業が義務化を求められている事項としては、育休に関する研修や相談窓口の設置、育休取得状況の公表(常時雇用の労働者数が1,000人以上の場合)などが挙げられます。