3.どんなハラスメントがあるの?

  ハラスメントは職場の3大ハラスメントと呼ばれる

    パワハラ、セクハラ、マタハラを含めて

   30種類以上あるといわれています。

 

最近ではハラスメントハラスメント(ハラハラ)と言われるものもあるようです。

  ハラスメントは先程書いた通り自分では無意識にその行為をしていることもあります。

  ハラスメント対策の一歩はどんなことがハラスメントになるのかということを知ることだと思います。

  以下に代表的なものををまとめました。

 

1)アルコールハラスメント(アルハラ)

   職場の懇親会や宴席での飲酒やアルコールにかかわる嫌がらせです。

    例えば

    ・上下関係を利用して本人の体質や体調・意向を無視して飲酒を強要する

    ・場を盛り上げるために一息で酒を飲み干すことや早飲みすることを指示する行為

    ・アルコール度数の高い飲み物をたくさん飲ませて意図的にな酔い潰す行為

    ・宴会に酒類以外の飲み物を用意しない等飲めない人への配慮を欠く行為

    ・酔った上での迷惑行為

 

 アルコールによるハラスメントは人権侵害にもなりますし、

急性アルコール中毒による命の危険も考えることが大切です。

 

 また、ハラスメントをしている側は酔っているため自覚がないケースも多く、

直接ハラスメントをしていなくてもお酒を強要する

雰囲気を作った責任を負うこともありますので注意が必要です。

 

アルコールが入ると人格が変わる人がいますからね~、

そういう場合は周りの人がしっかりと対応しないといけないということです。

 

また、私の父から聞いた話ですが、

大学の新入生歓迎会で急性アルコール中毒で運ばれる若者もいて、

これによって命を落とした学生の両親が訴えを起こした事例もあるようです。

 

最近ではあまり聞かなくなりましたが、

家庭でもしっかりと教える必要がありますね。

 

なお、女性に酌を促す行為はセクハラとしてもNGとされることが増えてきています。

 

 2)アカデミックハラスメント(アカハラ)

    アカハラとは、大学などの学内で、

    教授糖が権力をもとに学生や部下の教員に対して行う 

    嫌がらせ行為のことを指します。

 

    パワハラの一類型ととらえることができます。

  

 例えば

 ・教員による学生への正当な理由のない人格否定や多数の面前での批判

 ・不当に多い課題を不可能なスケジュールで提出するように指示する

    ・教授の立場を利用して生徒に実験道具を使わせない行為

 ・学生の成果や論文を正当に評価しない行為

 アカハラを受けた生徒は、大学や教授、ゼミ、研究室自体に恐怖心を抱きやすく、

 学業や研究に支障が出ます。

 

 大学に行けないほど心に傷を負うケースもあり、学生生活への影響は計りしれません。

 

3)エアーハラスメント(エアハラ)

 

     エアハラは、学校や家庭、会社の空調にまつわるハラスメントです。

 

例えば、

 ・周囲の希望や意見を無視して空調の温度を変えたり、

 周囲に何も言わずに温度を変える行

 

・エアコンの使用を禁止したりする行為

 などが当てはまります。

 

 特に会社の空調は、

 デスクの位置によってエアコンの体感温度が変わります。

 

 ある人にとっては快適でも、

 別の人にとっては肌寒いと感じることもあるでしょう。

 

 ダイキンの調査によると、

 夏場の冷房が苦手という割合は、

 女性で64.7%、男性で44.8%となっています。

 

 男女関係なくエアコンに対して敏感な人がいることを職場全体で理解し、

 体調を崩さない温度を模索していく必要があります。

 周囲への気遣いを忘れて自分が快適な温度に設定するのは、

 空調を用いたハラスメントにあたることを忘れずに。

 

 4)エイジハラスメント(エイハラ)

 

    エイハラ(エイジハラスメント)は、

    中高年や高齢者への年齢にまつわるハラスメントで、

    年齢の違いを理由にした差別的な言動や嫌がらせ行為です。

 

    例えば、

     ・「ゆとり世代はこれだから・・・」とか

     「お局がいると仕事がやりにくいなあ」といった発言

 

     ・中高年になっても役職の地位に就かない社員に対して

     「もういい年なのに」などといった 発言

 

     ・「もう年なんですから無理しないで下さい」といった発言

 

     社内だけではなく、家庭内や介護施設の高齢者に対する嫌がらせもエイハラに当たります。

 

    エイハラは加害者は冗談のつもりでも、被害者は強いストレスを感じます。

 

 また、本来は年齢制限が必要ない業種の求人で、

 採用する年齢の上限を設けている場合(40歳まで等)も、

 エイハラになる可能性があります。

 

5)エレクトロニックハラスメント(エレハラ)

 

エレハラ(エレクトロニックハラスメント)は、

電磁波や電波などのエネルギー媒体を使ったハラスメントです。

 

目に見えない電波を使用した攻撃や嫌がらせのため対策も困難で、

被害者は次第に健康的な生活を送れなくなります。

 

例えば、低い低周波の音波は透過性が低く防ぐことが難しく、

人間の神経に作用して痛みやけいれん、

耳鳴りなどの作用を及ぼすと言われています。

 

同じ家に住んでいても電波を感じる人と感じない人がいるので、

周囲の理解を得づらいのも特徴です。

 

 6)終われハラスメント(オワハラ)

 

    オワハラ(終われハラスメント)は、

   企業や面接官が就活中の学生に行うハラスメントです。

 

    就活中の疲れた体と心につけ込んだ嫌がらせで、

    自社の内定と引き換えに就活をやめるように強要します。

 

    例えば、

    ・「うちで採用するから他社はもう受けるな」というプレッシャーを与えたり 

    ・「うち以外はあなたなんて採用しない」とか

     「うち以外で就活したのがわかったら、内定はあげないから」

    などいうパワハラまがいの言動

 

就活生は内定が欲しいあまりに、

オワハラを真に受けてしまうこともあります。

 

 7)カラオケハラスメント(カラハラ)

 

    カラハラは、

    カラオケが苦手な人や歌いたくないと思っている人に、

    無理やり歌わせようとするハラスメントです。

 

    例えば

     カラオケで歌わない人に「お前も何か歌えよ」といった行為

     歌わせようとした相手に断られた時に「ノリが悪いな」と責める行為

     コロナ禍でカラオケに行く機会は減った事と思います。

     ストレス発散の一環として一般的なカラオケですが、

     自分は歌が得意ではないと思っているや人前で歌うのは

     苦手だと思っている人もいることを忘れないことと、

     カラオケが好きな人や歌が得意な人は、

     無意識のうちにカラハラをしている可能性もあるので、注意が必要です。

 

 8)カスタマーハラスメント(カスハラ)

 

     カスハラは消費者による自己中心的で理不尽な要求によるハラスメントです。

 

    例えば

 

    ・店員に土下座を強要したり、謝罪を受けるまで帰らなかったりと迷惑行為

    

    ・カスタマーセンターに何度もクレームの電話を入れたりする行為

    

    ・難癖をつけ支払いの拒否や賠償金などを強要する行為

    クレームや苦情と異なり自己中心的で理不尽な要求をすることです。

    お客様は神様ですという考えが昂る行やサービス業にはありますが、

    客と店員は本来同じ立場であるという認識を忘れないようにしましょう。

 

 9)家事ハラスメント(カジハラ)

 

     カジハラとは家庭内での家事の分担等に関して発生するハラスメントです。

     

    例えば、

    ・妻の家事、育児、介護など家事の内容が軽視されているパターンです。

    ・家事を行った夫に対する妻の過剰なダメ出し行為

 

    カジハラにおける「家事」の中には、育児や介護なども含まれます。

    家庭内、家族間の人間関係だけにハラスメントのない健全な関係を築きたいですね。

 

 10)キャンパスハラスメント(キャンハラ)

 

     キャンハラ(キャンパスハラスメント)は、

     大学の中で行われるハラスメントのすべてを指します。

 

     上で紹介したセクハラ、アカハラ、パワハラ、

     その他のハラスメントを総合してキャンハラと呼ばれています。

 

     アカデミックハラスメントとの違いは、

     学生同士の同期や先輩、

     後輩の関係で起こるハラスメントも含む点です。

 

 11)ケアハラスメント(ケアハラ)

 

     ケアハラとは、働きながら介護を行う人に対する嫌がらせのことです。

 

     例えば、

     ・介護休暇を取得する人に嫌味を言ったりする行為

     ケアハラは女性社員だけではなく、男性社員が受けることが多いのも特徴です。

 

日本では「家のことは女性が・・・」と言った認識を持つ方がいまだに少なからず存在しています。

 

そのため、

介護休暇を男性社員が取得すると言ったことに

理解ができずケアハラを行う人がいます。

 

高齢化社会が進む中で、

この手のハラスメントは増えてくるかもしれません。

介護休暇を取りやすい環境整備が必要ですね。

私も、父を病院に連れていくために休暇申請すると嫌な顔をされたことがあります。

 

 12)シルバーハラスメント(シルハラ)

     シルハラは、60代以上の主に介護を受ける高齢者に行われるハラスメントです。

 

     例えば

     ・介護に疲れた肉親や、介護施設の職員が高齢者を肉体的、

      精神的にいじめたり傷つけたりする行為

      特に介護施設におけるシルハラは最近はニュースになることが多く、

      高齢化社会における社会問題として対策が求められます。

 

 13)ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

     ジェンハラは、男女それぞれに「男らしさ」「女らしさ」を強要するハラスメントです。

 

     例えば

     ・女性だけにお茶くみをやらせる行為

     ・男性だけに力仕事をさせる行為

     ・「男なのになよなよしている」「女なのに大食いだ」

     「女のくせに酒が強いなんて品がない」など言ったりする行為

     ほかに、同性愛者に対するいやがらせも含まれます。

 

     このように、加害者の中にある「男女らしさ」

     に相手を当てはめ人格や意志を無視することです。

 

 14)スクールセクシャルハラスメント(スクハラ)

     

     スクハラとは、学校で教師が児童生徒に対して行う性的いやがらせのことです。

 

     例えば、

     ・恋人はいるのか尋ねたりする行為

     ・立場を利用して根拠なく異性との交際を禁止したりする行為

     ・教育と称して児童生徒を下着姿や裸にさせたり身体を触わったりする行為

 生徒が勇気を出して別の教員や学校に相談しても、

 問題を大きくなることを恐れ対策をしてもらえないケースもあり、

 被害に遭った場合は地方自治体や教育委員会が設置する相談窓口に

 相談する方が効果的な場合があります。

 

 15)スモークハラスメント(スモハラ)

 

     スモハラとは、喫煙者が非喫煙者に行ういやがらせです。

 

     例えば

     ・煙草の煙で非喫煙者に受動喫煙をさせたりする行為

     ・非喫煙者に煙草を吸うことを強要したりする行為

     ・飲食店等で喫煙席か禁煙席かを選ぶ時、非喫煙者の意見を聞かずに喫煙席を選ぶ行為

 煙草を吸っている人の近くにいるだけで服に煙草の匂いが付くのを嫌がる人もいます。

 また、人によっては目が痛くなる、咳が止まらなくなるなど体調を崩す人もいます。

 非喫煙者の意見を「大げさだ」と軽視するのではなく、気持ちを汲む行為が必要ですね。

 

 16)スメルハラスメント(スメハラ)

 

     スメハラとは、匂いによって他人を不快な気持ちにさせる行為です。

     口臭や体臭、ワキガなどが一般的なスメハラに当てはまります。

     本人が自分の匂いに気付いていなくても、周囲が不快な気持ちになればスメハラです。

 

     例えば

     ・強すぎる香水の匂いや柔軟剤の匂い

     電車の中や職場など、逃げられない場所で苦手な香りがすると気分が悪くなりますよね。

     自分では良い香りに包まれている気でも、

     周りからすると耐えられない強い匂いであることもありますので注意しましょう。

     私の父も加齢とともにコロンを付けて仕事に行くようになりましたが、

     私が注意しました。ちょっと強すぎるって(笑)

 

 17)セカンドハラスメント(セカハラ)

 

     セカハラとは、セクハラを受けた人が二次的被害を受けることです。

     例えば、

     ・上司からのセクハラの被害を会社に訴えたことに対して

 「君の勘違いではないか」

 「君が自分から誘ったのではないか」と疑われてしまう

 「それくらいは普通にあることなんだから我慢しなさい」

 などといった行為

     セクハラ加害者が罰を受けないどころか、

     被害者が責められ被害妄想だと言われてしまいます。

     また、セクハラの我慢を強要されるだけではなく、

     さらなるハラスメントの引き金になってしまうこともあります。

 

 18)セクシャルハラスメント(セクハラ)

 

     セクハラとは、性的いやがらせのことです。

     男性、女性に関わらず行われるものがありますが、

     主に男性から女性に行われるものが多いです。

 

     大きくは「対価型セクハラ」「環境型セクハラ」に分けられます。

 

  「対価型セクハラ」は職場や学校における立場や上下関係を利用して、

  下位にある者に対する言動を強要するもので、

  「性的な要求を受け入れれば高評価を与える、昇進させる」

  「言うことを聞かないなら辞めてもらう、異動させる」などがあります。

 

  「環境型セクハラ」は、はっきりした不利益を伴わなくても、

  性的な言動を繰り返すことで働く環境を悪化させるものです。

  抱きついたり胸を触ったり、女性にお酌を強要したり、

  女性に対して結婚や出産のことを尋ねる、などもセクハラに含まれます。

 

 19)ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)

 

    ゼクハラとは、交際している男女のうち、

    女性が男性に対して結婚を迫ることで心理的負担を与えるいやがらせです。

    なぜゼクハラと言われているのかというと、

    部屋に結婚雑誌「ゼクシィ」を置いて結婚したいことを

    アピールすることから来ています。

 

     例えば、

     ・彼氏に「親が心配しているから」「責任を取ってよ」などと結婚をせまるような行為

      長く付き合っているカップルの中で起こりやすいハラスメントで、

      お互いの結婚願望の温度差により引き起こされがちです。

      一方的に結婚願望を押しつけるのではなく、

      お互いの気持ちをハッキリ確認することが大切です。

 

 20)ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

     ソーハラとは、TwitterFacebookなどのSNS

     (ソーシャルネットワークサービス)にまつわる嫌がらせです。

 

     例えば

     ・職場の部下に友達申請をせまったりする行為

     ・自分の投稿に「いいね!」を押すことをせまる行為

     ・逆に部下の投稿をチェックして執拗に「いいね!」

      を押して監視されているようなプレッシャーを与えることを言います。

 上司にとっては部下とコミュニケーションを取っているつもりでも、

 立場が下の人間は想像以上にストレスやプレッシャーを感じるものです。

 

 21)SOGIハラスメント(ソジハラ)

 

     性的指向や自認する性別に関する差別的な言葉や嘲笑、嫌がらせ行為のことです。

     

     例えば

     ・LGBTQ(性的マイノリティ)の人に対して差別的な呼び方をする行為

     ・LGBTQであることを理由に差別をしたりする行為

     ・「もしかして、あっち系?」と揶揄する行為

     ソジハラをなくすためには、職場のダイバーシティへの取り組みの一つにもなります。

 

 22)テクノロジーハラスメント(テクハラ)

 

     テクハラとは、パソコンやスマートフォン等の

    ハイテクノロジー技術に詳しい人が

    そうでない人にするいやがらせのことです。

 

     例えば

     ・知識の差をひけらかし、被害者を馬鹿にしたり、わざとわかりづらく教えたりする行為

     ・「こんなこともわからないの?」「こんな単語も知らないの?」などと言ってプレッシャーをかける行為

     業務に必要なスキルを身につけることはもちろん大切なことですが、PC等が苦手な人

 がこのようなストレスを継続して受けることにより心身に悪影響を及ぼすことになります。

 

 23)テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

 

     テクハラとは、文章上の性的いやがらせのことです。

 

     例えば

     ・「女なのにこんな文章を書けるはずがない」という発言

     社内で作った資料以外にも、ブログや小説などに対して行われるケースもあります。

     特に執筆者の性別が明かされていない場合はテクハラが起こりやすい傾向です。

     その際は「これを書いたのは絶対に男」「女の文章じゃない」「女の感性では書けない」と決めつけます。

 

 24)ドクターハラスメント(ドクハラ)

 

     ドクハラとは、医者から患者へ行われるハラスメントです。

     体に不安を抱えた患者は医者を頼りますが、

     医者側が立場の強さを利用して患者にプレッシャーをかけます。

 

     本来必要のない手術や検査、治療が不可欠のように説明する、悪質な嫌がらせです。

  

     例えば

     ・「自分が信用できないなら他へ行け」「急いで手術をしないと治らないよ」などと脅したりする行為

     ・必要のない手術や治療、検査、高額な保険外治療を必要不可欠に見せかける行為

     ・患者が疑問を伝えても「信じられないならよそへ行ってもいいんですよ」

     「すぐ入院するべきなのに」などと不安を掻き立て、患者を孤立させる行為。

     普通でさえ身体的不安を抱える患者に対して、

     治療を行う立場の医者が精神的負担まで与えてしまうことにより、

     患者を無力化、孤立化させるため、時には心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こすこともあります。

     あってはならないハラスメントですね。

 

 25)ヌードルハラスメント(ヌーハラ)

 

     ヌーハラとは、麺をすする時の音によるハラスメントです。

     ラーメンやうどんなどをすする「ズルズル」という音が、

     トイレや掃除機の音に聞こえて不快に感じます。

     外国人は食事中に音を出すことをマナー違反としますが、

     日本でも一部人は麺類をすする時に音が出るのを嫌う人もいます。

     しかも、意図的に大きな音ですすったり、

     すする音が苦手な人がいるとわかっている上で音を出したりなどは、ヌーハラに含まれます。

     また麺類だけではなく、お茶漬けやお味噌汁をすする音もヌーハラです。

 

 26)パーソナルハラスメント(パーハラ)

 

     パーハラとは、個人的趣向や容姿、クセなどプライベートでパーソナルな面について

    文句をつけたりいじめたりする行為です。

     例えば、

     ・見た目を「ブス」「デブ」と馬鹿にしたりする行為

     ・珍しい趣味を持っている人に「変人」と言ったりする行為

     少数派であることを見下したり、悪いイメージのレッテルを貼って嫌がらせを行ったりします。

     個性的な口癖の人を真似て、ふざけた経験がある人は多いでしょう。

     加害者にとってはジョークのつもりでも、被害者が嫌がらせだと感じればパーハラです。

 

 27)パワーハラスメント(パワハラ)

 

     パワハラとは、同じ職場で働く者に対して、

     職務上の地位や役職などの優位性を背景に適正な業務の範囲を超えて精神的、

     身体的苦痛を与えることです。

     上司から部下、先輩から後輩に対して行われることが多いですが、

     人間関係上優位性を持った部下から上司に行われるケースもあります。

     叩く、殴る、蹴るなどの身体的な攻撃から、

     意図的に同僚の前で激しく叱ったり、

     通常業務には関係ない仕事をさせたりなど、

     執拗に嫌がらせを行い被害者を追い詰めます。

 

 28)フォトハラスメント(フォトハラ)

 

     フォトハラとは、写真撮影にまつわるハラスメントです。   

     例えば、

     ・相手の許可を取らずに勝手に撮影したりする行為

     ・許可を得ていない写真をSNSに上げたりする行為

     特にスマートフォンが身近な今の時代では、

     

       SNSへの投稿に関するトラブルは誰でも起きる可能性があります。

 

     これは、ハラスメントだけの問題ではなく、

     何気なく撮った友人との写真からその友人の個人情報が漏洩してしまうケースもあります。

     スマホで撮影した写真には位置情報を書き込むことができる(または自動的に書き込まれる)ため、

     位置情報の書き込まれた写真をSNSなどに投稿したことにより

     「どこにいたのか」「どういった場所に住んでいるのか」「どこに勤めているのか」

     などの情報が漏洩してしまうケースもあります。

     また、その写真に写っている情報はもちろん、

     他から入手した情報と組み合わせることで

     「名前」「出身地」「出身校」「家族構成」などが特定できてしまうケースもあり、

     個人情報が漏洩してしまうといったトラブルを招いてしまう可能性もあります。

     このように、フォトハラは名誉毀損やプライバシー権の侵害となるケースがあり、

     場合によっては訴えられてしまう可能性もあるので、

     ハラスメントだけでなく、SNSの利用についてもしっかりと確認する必要があります。

 

 29)ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

 

     ブラハラとは、血液型が与える印象で、

     その人の人柄や性格を決めつけるような言動のハラスメントです。

     これは「血液型占い」の影響によるものが大きく、

     例えば「A型は几帳面」「B型は自己中心的」「O型は大雑把」「AB型は変わり者」

     などの決めつけることにより、無意識的に相手を傷つけたりすることもあります。

 

 30)ペットハラスメント

 

     ペットハラスメントとは、

     ペットを飼っている人が飼っていない人に行うハラスメントです。

 

     例えば、

     ・犬を散歩させる時にリードをつけなかったりリードが長過ぎたりして、

      すれ違う人に恐怖を与えるなどの行為

     飼い主がペットを可愛がっているからと言って、

     周りの人たちも動物が好きな人ばかりとは限りません。

     小型犬であっても恐怖を感じる人がいて、

     最悪の場合は転倒する事故につながることもあるので、注意が必要です。

 

 31)マタニティハラスメント(マタハラ)

 

     マタハラとは、職場において、妊娠している、

     または出産した女性に対して行われるハラスメントです。

 

     妊娠、出産に伴う就業制限や育児休暇により

     業務上の支障をきたすという理由で

     精神的・肉体的いやがらせをおこなうことです。

 

 例えば、

 ・「こんな忙しい時期に出産なんてのん気でいいわね」と嫌味を言われたりする行為

 ・妊娠や出産が理由で減給されたりする行為

 ・妊娠や出産が理由で不当な扱いする行為

 妊娠したことを理由に降格を行った企業に対して業務上特段の理由がない限り

 原則として男女雇用機会均等法に抵触するという最高裁判所の判例もあります。

 

 32)マリッジハラスメント(マリハラ)

 

     マリハラとは、結婚をしていない人に行われるハラスメントです。

     「マリッジ」は「marriage」、結婚を意味します。

 例えば、

 ・未婚者に対して執拗に「結婚しないの?」などと聞いたりする行為

 ・「そんなことだから結婚できないんだ」など結婚に関する圧力をかけたりいやがらせをする行為

 被害者はプレッシャーを感じ、結婚しない生き方を選んでいる場合にも、

 自分の人生に負い目を感じます。

     私も父から「彼氏はいないのか?」とか

    「まだ結婚しないのか」などとマリハラを受けています(笑)。

 

 33)モラルハラスメント(モラハラ)

 

     モラハラとは、肉体的ではなく、言葉や態度等によって精神的ないやがらせです。

 

     例えば、

     ・理由もなくずっと相手を無視する行為

     ・わざと難しい仕事を与えたりする行為

     パワハラとの違いは、力関係を伴わない精神的な抑圧や攻撃が続く点で、

     ひどい時には被害者は自ら命を絶つほどに追い込まれる場合もあります。

 

 34)ラブハラスメント(ラブハラ)

 

     ラブハラとは、恋愛に関する話題で相手に

     精神的苦痛を与えたり不快感を与えるハラスメントです。

 

     例えば、

     ・「彼女いないの?」「恋人を作る努力をしなきゃ」

     「いい年なんだからそろそろ結婚しなきゃ」など、

      恋愛や結婚に関する考え方を押し付ける行為

 

     ・「早く結婚しないと売れ残っちゃうよ」と余計な一言を言ったりする行為

     恋愛は話題にしやすいので、アドバイスのつもりで無意識の内にラブハラをしがちです。

     自分の恋愛観を押しつけるのではなく、相手の立場になって考えることが大切です。

     最近、職場の人によく言われるようになってきましたね~

 

 35)リストラハラスメント(リスハラ)

 

     リスハラとは、社内でリストラ候補者として

     名前が挙がっている人に対する嫌がらせです。

 

     例えば、

     ・仕事において無理難題を押し付けたりする行為

     ・急な人事異動で望まない部署や窓際部署への異動を命じたりする行為

このような行為などしてリストラに追い込むようなハラスメントです。

会社命令という絶対的な権力を使い、被害者を追い詰めます。

同じ職場で頑張ってきた仲間であることには変わりません。

 

 36)リモートハラスメント(リモハラ・テレハラ)

     リモハラとは、リモートワーク(テレワーク)で働く社員に対する嫌がらせのことです。

     略してリモハラと呼ばれていますが、他にもテレワーク中のハラスメントということから

     テレワークハラスメント(略してテレハラ)と呼ばれたり、

     テレワークではZoomを使用することが多いことからズムハラなどとも呼ばれています。

 

 例えば、

 ・画面越しに見える部屋の様子や私生活についてみだりに

 プライバシーを侵害するような質問を繰り返したりする行為

 ・何しているかわからないからと尋常ではない頻度で連絡や報告を要求するような行為

 ・必要なチームミーティングに呼ばないといった行為

 コロナウイルスによってテレワークが普及したことにより新たに登場したハラスメントの一種です。

 

 37)レイシャルハラスメント(レイハラ)

 

     レイシャル、つまり人種差別的ないやがらせです。

     外国人やハーフに対して行われる差別を指します。

 

     外国人やハーフであることを理由にいじめられたり、

     不当な扱いをうけたりする嫌がらせ全般を指します。

 

     また、容姿が日本人離れしている相手をからかう行為も、レイハラに含まれます。

     外国人実習生が増加してきている日本でもこれから増加しそうなハラスメントです。

 

 38)レリジャスハラスメント

 

     レリジャスハラスメントとは、

     宗教関係者から受ける、精神的、肉体的、

    または経済的な苦痛を伴ういやがらせです。

 

     圧力により強制的に宗教団体に入信させられたり、

    宗教団体から退会しようとするとひどい目に遭うと脅迫されたり、

    宗教団体内部で発生する性的虐待や幼児虐待を含むこともあります。

 

 39)ワクチンハラスメント(ワクハラ)

 

     ワクハラとは、コロナワクチンの接種をしない人に対して行われる嫌がらせのことです。

     ワクチンを接種するかどうかは個人の自由であり強制されるものではありません。

     また持病やアレルギーなどによって摂取したくてもできない人もいます。

     そんな人に対して「なんでワクチンを接種しないの?」と嫌味をいったり、

     「接種しないと働けないよ」と言った脅迫をしたりするワクハラがあるようです。

 

  こんなにたくさんのハラスメントの種類があるんですね。

  ハラスメントは悪意のある人が加害者になると思いがちですが、

  実際は無意識のうちに自分も加害者になっている可能性があります。

  良かれと思ってやったことが相手にとっては迷惑行為・不快として受け取られる可能性もあるでしょう。

 自分がハラスメント加害者にならないためにも、相手の立場になって考える癖をつけてくださいね。