(5)個人が日常的に気を付けるべきこと

    事業主はセクハラに対する社内ルールを設け、対策を入念に行う必要がある一方、

  どれだけルールをつくっても個々人の意識が低ければセクハラをなくすことは不可能です。

  「他人を尊重する」「性的役割分担意識をなくす」といったことのほかにも、個人レベ ルでできる対策はたくさんあリます。  

  常に相手の立場になって考える

  加害者がどんなに「まさかこれをセクハラと受け取られるなんて」「そんなつもり はなかった」と言っても、

 被当者が「セクハラを受けた」と感じたらアウトです。

  セクハラかどうかの感じ方は人それぞれのため「もうコミュニケーションをとるのが怖い」

 なんていう人もいるかもしれません。

  しかし、そんなに難しく考える必要はないので す。

  自分のしたことや言ったことを、自分の大切な人がされたらどう感じるのか想像してみてください。

  例えば、

  自分の愛娘が「30歳を過ぎても浮いたうわさがないなんて、もしかして魅力に欠けるの?

  とからかわれていたらどうでしょう。

  相手が「ちょっとからかっただけ」と言っても許せないのではないでしょうか。

  もしそう感じるのであれば、そうした言動は慣みましよう。

  ②その言動は仕事と関係があるか考える

    「もうコミュニケーションをとるのが怖い」などと言う前に、

   まずは「このコミュニ ケーションは職場にふさわしいかどうか」を考えましょう。

    何も挨拶代りに肩に触れたたりし なくても相手の調子は分かりますし、

   下ネタを用いずとも会話を広げるための話題はいくらで もあるはずです。

    一社会人であることを強く認識し仕事と関係があるかどうかに気をつけていれば

   セクハラにつながる言動は防げるでしょう。

 

  ③自分の立場を利用していないか

    対価型セクハラでも触れている通り、セクハラ被害の多くは力関係が影響しています。

    セクハラ被害を訴えられた加害者はよく「断られなかったからOKだと思った」

   「嫌なそぶりを見せなかったから、合意の上だと認識した」と言います。

    しかし、カの差が明確な間柄だ った場合は、

   「 NOを言ったら、どんな目に遭うか分からなかった」と被害者が訴えるケースが多いのです。

    例えば、

    あなたが相手よりも優位な気持ちを持って接しているとしたら少し立ち止まってみてください。

    そして、もしも相手が上同だとしても同じ言動ができたかどうかを考えましょう。

    上司であっても部下であっても、やってはいけないことは変わりません。

    少しでも「そんなこと上司には言えない(できない)」と感じるようであれば、その言動は不適切です。

 

 ④相手を対等にみる 

 例えば「最近よく頑当ってるな」と肩に手を置く行為を上司Aがやったら問題がないのに、

上司Bが行うとセクハラだと受け取られる場合があります。

 それは上司Aとは 日ごろから信頼関保が築けていて、

上司Aは心から頑張りを認めてねぎらってくれていることが分かるからです。

 逆にいつも部下を見下し、日ごろから尊敬できない上司Bからの言動は不快なセワハラと感じてしまいもの。

 もっとも昨今では信頼関係があっても肩に手を置く行為には注意が必要です。

 それだけに職場では誰に対しても、日ごろから「対等な存在」として接する基本が大切なのです。

 

  また、職場からセクハラをなくすためにはアルコールが入った場面も含めて

 「セクハラ 行為は新固として許さない」という認識を全員が持つことも重要です。

  もしも被害を受 けた場合は、すぐに相談窓口に相談するほか、行為者には「それはセクハラですよ」と

 訴える勇気を持ちましょう。

  また、被害者が言えずにいる場合は、第三者が「その行為は、誤解を招く、良くない」

 などと行為者に発言するのも大切です。

 「何を言っているんですか~」と笑ってごまかしたり、

 「またそんなこと言って!

  と一緒に盛り上がったりといった行動は、セクハラを放置するだけでなく

 さらに新たなセクハラを生み出す可能性があリます。

  一人一人の意識が、職場を変えるのです。

                        (出典:資格のキャリカレ ハラスメント対策テキスト)