セクハラ4つのケーススタディ
(出典:資格のキャリカレ ハラスメント対策テキスト)
職場における三大ハラスメントの一つ
「セクシャルハラスメント」(セクハラ)についての理解を深めるために4つのケーススタディを用意しました。
ケーススタディ1. 上司に告白されて断ったら異動になった
女性社員Aは、数日前に異動になった部署の男性部長から
食事に誘われることが多くなったと感じていました。
しかし、食事中は仕事の話がほとんどでしたし、
不快な発言を受けることはなかったため、
あまり深刻に考えていませんでした。
そんなある日部長から
「実は前からAさんのことが気になっていた。 付き合ってほしい」
と告白を受けます。
そんな気は全くなかったAは
「部長のことはそういう目で見ていないので失礼します」と丁寧にお断りしました。
すると数日後、 突然の異動命令を受けたのです。
●自分の一方的な思いだけで行動しない
職務上の地位を利用して性的な関係などを強要し、
拒否したら相手に不利益を負わせる。
まさに「対価型セクハラ」の典型例です。
定期的に異動がある職場ならまだしも、
女性社員Aの場合は異動になったばかりの職場でしたから
「部長からの告白を断ったからこんな目に遭ったんだ」
と思ってしまうのは当然でしょう。
こうしたトラブルを避けるためには
「自分の一方的な思いだけで行動しない」 こと、
また部下は外部機関や人事、
総務部門に守秘を確認の上で相談しましょう。
ケーススタディ2. パソコンのデスクトップが グラビアアイドルの水着写真
同じ職場で働く先輩社員Bのパソコンのデスクトップは、
好きなグラビアアイドルの水着写真。(やりがちですよね~)
胸元が強調された際どい写真で、
後輩のCは仕事の相談をしたり、
書類を渡しに行ったりするたびに目のやり場に困っていました。
一度 「その写真はちょっと・・・・・・・時節柄、 まず いんじゃないですか」
と、やんわりと伝えたところ
「でも好きな写真の方が仕事のモチベーショ ンが上がるからさ」
と受け流されてしまいました。
「相手がどう感じているか」 に注目
先輩社員Bは、みだらな発言をしたわけでもなく、
ただ自分の好きな写真を見ているだけ。
しかし、後輩Cは居心地が悪く、 不快に感じています。
「環境型セクハラ」は、
このように行為者がセクハラに気づきにくいことが特徴です。
そのため、はっきりとした態度を示さない限りは長期にわたって
繰り返される可能性があるので注意が必要です。
この場合も 「相手がどう感じるのか」を
常に考えて配慮するように心がけることが大切 です。
また「うちの部署は全員男性だから」という理由で、
どんな写真やポスターでも問題ない、
二次会を女性コンパニオンがいる場所でやる、
という考えもNGです。
たとえ男性同士であってもそのようなシーンで
不快感を覚える男性社員も増えていますので、
セクハラが成立する場合もあるのです。
ケーススタディ3.LGBTQに関する否定的発言を受けた
男性社員Dは職場の飲み会の二次会で酔った上司から
「君はもう35歳になるけど、まだ結婚しないの? 彼女はいないの?」と、
プライベートな質問を矢継ぎ早にされて困っていました。
すると、その様子を見ていた先輩同僚が
「私、前からちょっと思っていたけど、
Dさんって話し方とか仕草がオネエっぽくないですか?
男性と一緒の空間にいるって感じがしないんですよね」
と言ったことをきっかけに
「もしかして“あっち系”じゃない?」
「彼女はいなくても 彼氏がいるってことなのかな」
と冷やかしの声が上がり、とても悲しくなり、居心地が悪くなってしまいました。
●決めつけに注意
このケースは 「男性は女性を好きになって当たり前」といった決めつけが根源にあります。
また同僚の 「オネエっぽくないですか」という発言からは、
セクシュアルマイノリティに対する差別や偏見がうかがえます。
もしも男性社員DがLGBTQであった場合、
「こんな環境じゃカミングアウトできない」 と思い詰めてしまうでしょう。
また、 「彼女はいなくても彼氏がいるってことなのかな」という質問は、
性的指向に関してそのカミングアウトを強要させるような発言ともとれるため、
プライバシー権の侵害に当 たります。
ケーススタディ4.セクハラを訴えたら嫌がらせを受けた
社員Eは先輩社員Fからの度重なるセクハラ発言に耐えかね、
直属の上司に相談しました。
上司は 「本部に報告しておこう」 と言ってくれたので、
すっかり安心しきっていたのですが、
数日たっても発言がやむ気配はありません。
それどころか職場でほかの同僚から悪口を言われるようになったり、
Fから嫌がらせを受けたりするようになりました。
さらには、相談したはずの上司に再度話をしようとしたところ、
「今、 君の話を聞いている時間はないから」 と邪険に扱われてしまったのです。
●セカンドハラスメントも職場全体で防ぐ
セクハラ被害を訴えたら相談相手から責められた、
相談相手から他者に相談内容を漏らされたことで嫌がらせを受けたといったケースを
「セカンドハラスメント (セカハラ)」といいます。
相談者に対して相談相手が
「君にも落ち度があったんじゃないか」
「そのときはっきり断らなかった君の責任」
「あの人はそんなことをするような人じゃないよ」
「個人間のトラブルには会社は関与しないから」
などと、追い詰めるような発言をするのも不適切です。
また
「そんなに思い詰めることないよ」
「気にしないのがいちばんだよ」 と、
良かれと思ってかけた言葉が被害者の不快と不信感を増強します。
これを防ぐには、
研修での啓発や相談体制の確立、
また職場全体で、
相手の話を聴く 「傾聴」を心がける啓発活動が重要です。
以上です。
どうですか?
事業主はセクハラに対する社内ルールを設け、対策を入念に行う必要がある一方、
どれだけルールをつくっても個々人の意識が低ければセクハラをなくすことは不可能です。
「他人を尊重する」「性的役割分担意識をなくす」
といったことのほかにも、個人レベ ルでできる対策はたくさんあリます。
職場全体で考えてみましょう!
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